腎細胞がん患者を対象としたTIVO-1試験にてソラフェニブに対する優越性を証明 チボザニブ第III相臨床試験

提供元:ケアネット

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公開日:2012/01/10

 



アステラス製薬株式会社は4日、米アヴェオ社と共同で開発を進めている、経口トリプル血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体阻害剤チボザニブ(一般名、英語名称:tivozanib、開発コード:ASP4130)の進行性腎細胞がん患者を対象としたグローバル第III相臨床試験TIVO-1について、チボザニブがソラフェニブに対し主要評価項目である無増悪生存期間において優れていることが証明されたと発表した。

TIVO-1は、VEGF受容体阻害剤またはmTOR(哺乳類ラパマイシン標的タンパク質)阻害剤での治療歴のない、腎摘出を受けた腎明細胞がん患者517人を対象に、チボザニブの有効性と安全性を検証するために、ソラフェニブを対照薬として行ったグローバル二重盲検比較試験。腎細胞がんの第一選択薬として既承認のVEGF受容体阻害作用を有する薬剤と比較した初めての試験となる。

独立データモニタリング委員会の解析によると、チボザニブは、ソラフェニブと比較して、統計学的有意に、無増悪生存期間(中央値)を延長(チボザニブ11.9ヵ月に対してソラフェニブ9.1ヵ月)したという。また、TIVO-1全症例の約70%を占めるサイトカイン等薬剤での治療経験がない患者群においても統計学的に有意な無増悪生存期間(中央値)の延長(チボザニブ12.7ヵ月に対してソラフェニブ9.1ヵ月)が示されたとのこと。なお、同剤の安全性についてはすでに実施された第II相臨床試験と同様の良好な忍容性を示す結果が得られたという。最も高頻度で認められた副作用は、VEGF受容体阻害作用に起因することが知られ、他のVEGF阻害剤においても同様に認められる高血圧であった。

TIVO-1については、さらなる解析のためのデータ収集を行うため、組み入れ患者の経過観察を引き続き行うという。なお、詳細な試験結果については、2012年6月1日~5日に米国シカゴで開催される米国臨床腫瘍学会(ASCO: Annual Meeting of the American Society of Clinical Oncology)での発表予定とのことで、さらに同社と米アヴェオ社は本試験の最終解析を行った後、2012年内にチボザニブの製造販売承認申請を欧米で行う予定だという。

詳細はプレスリリースへ
http://www.astellas.com/jp/corporate/news/detail/iii-tivo1.html