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聖路加GENERAL【Dr.衛藤の皮膚科疾患アーカイブ】(上巻)

衛藤先生が皮膚疾患のアプローチをお伝えします。

シリーズ名
聖路加GENERALシリーズ
診療科
皮膚科 
収録内容
第1回「蕁麻疹」
第2回「アトピー性皮膚炎」
第3回「痛い皮膚疾患①-感染症-」
第4回「痛い皮膚疾患②-炎症-」
講師
衛藤 光
収録時間
75 分
価格
8,250円(税込)
発行日
2012-10-22
商品コード
CND0176

第1回「蕁麻疹」


皮膚疾患は“痒い”“痛い”“症状がない”のどれかに分類されますが、「蕁麻疹」や「アトピー性皮膚炎」には日常診療でよく遭遇する反面、専門医でないと鑑別の難しい、一見症状が似ている重症疾患が隠れている場合があり、それらを見分けることが重要になります。
豊富な症例をとおして、蕁麻疹やアトピー性皮膚炎と重症疾患との見分け方、診断と治療、ステロイド等薬剤の使い方、専門医へ送る判断基準などを解説します。

最初の症例は、仕事が忙しく、数ヶ月寝不足が続いている32歳の女性。全身に瘙痒性皮疹が出現。蕁麻疹の原因は、ストレス、疲労、物理的な刺激など、非アレルギー性の因子によるものが多いことがわかっています。蕁麻疹は、マスト細胞がなんらかの刺激によりヒスタミンを出すことで発症します。
なにがその刺激の原因になるのか、またそのヒスタミンによってどのような症状として現れるかはさまざまです。
急性のもの、皮膚描記症、薬剤性蕁麻疹、蕁麻疹様血管炎などについて、具体的な症例を提示しながら紹介します。
また、近年話題になった茶のしずく石鹸による小麦アレルギーについても解説します。

第2回「アトピー性皮膚炎」
アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が低下することで発症すると考えられています。近年、そのバリア機能に関係するタンパク質として、フィラグリンが注目されています。また、症状の程度を表す指標として、最近用いられるようになったTARC検査について紹介します。アトピー性皮膚炎の中には、バリア機能が正常なものもあります。また、治療に使うステロイド薬が原因で皮膚炎を起こすようなケースもあります。他に、類似した痒い疾患として、小児にみられる脂漏性皮膚炎、疥癬や、菌状息肉症などの怖い疾患との鑑別についても解説します。
また、ステロイド軟膏の塗り方など基本的なことについても紹介します。

第3回「痛い皮膚疾患①-感染症-」
今回から「痛い」疾患について解説します。痛い皮膚疾患は、まず感染症を考えます。最初の症例は、38歳の男性。毎年夏になると趾間がじくじくして痒いという症状がありましたが、ずっと放置していました。ゴルフに行った翌日、足背が腫れて熱を持ち、痛くなってきたため受診しました。発熱もあることから感染症を疑い検査した結果、水虫から二次感染を起こした蜂巣炎であることがわかりました。足の水虫は万病の元と言われているように、水虫が原因でさまざまな疾患を発症することがあるので、要注意です。他にも、歯磨きから感染することなどもあります。更に、もっと重度な壊死性筋膜炎やうっ滞性皮膚炎などについて、具体的な症例を提示しながら詳しく解説します。

第4回「痛い皮膚疾患②-炎症-」
今回は炎症性のものを見ていきます。最初の症例は40歳女性。一週間前から誘因なく右腋窩に痛みと鶏卵大の紅班が出現し、受診しました。全身症状としては倦怠感と軽い発熱があり、病歴をとっていくと潰瘍性大腸炎にて治療中ということで、この方はSweet病と診断されました。最近では炎症性腸炎に伴うSweet病も増えています。痛い発疹で明らかな感染が見られなかったり結節性紅班にも当てはまらない場合に考えたい病気の一つであり、重い内臓疾患を合併する場合もあるので、注意が必要です。他にも見落としてはならない結節性紅班や血管炎の診断のポイントや、軽視してはならない重症薬疹について詳しく解説していきます。

衛藤 光 ( えとう ひかる )氏 聖路加国際病院 皮膚科 部長

北里大学病院、米国ライト大学・ウェイン大学、関東労災病院、北里研究所メディカルセンター病院、国立横浜病院を経て現職。北里大学医学部客員教授、島根大学医学部非常勤講師。日本皮膚科学会専門医。