インスリン療法を行っている妊娠中の糖尿病に、メトホルミンを追加することの意義は?(解説:小川大輔氏)
妊娠前から2型糖尿病と診断されている方でも、妊娠後に糖尿病と診断された方でも、妊娠中の糖尿病の管理は食事療法とインスリン療法が基本となる。日本では妊婦に対するメトホルミンの投与は禁忌とされているが、海外では使用が可能となっている。糖尿病合併妊娠あるいは妊娠糖尿病患者を対象に、インスリン療法に加えてメトホルミンを追加した際の新生児期の有害事象に対する効果を検討した結果がJAMA誌に発表された。米国17ヵ所の医療機関で、妊娠前に2型糖尿病と診断されている、または妊娠23週以前に妊娠糖尿病と診断されたインスリン治療中の被検者831症例を対象に、メトホルミン1,000mgを投与する群(メトホルミン群)と、プラセボを投与する群(プラセボ群)に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。主要アウトカムは周産期死亡、早産、新生児低血糖、在胎不当過大児あるいは在胎不当過少児、光線療法を必要とする高ビリルビン血症といった新生児複合有害事象であった。